学習中毒の方、初めまして——忙しくても毎日30〜60分で“実務で使えるLinux & Bash”を14日で身につけたい人のための効率重視プランです。14日間でLinux & Bashの土台を一気に固めるための独学で学習するためのロードマップです。
最短で“仕事に効く”順番で学ぶので、コマンドをただ覚えるのではなく、トラブル対応や自動化に直結する実力が身につきます。対象は、はじめてのターミナル操作から再入門までの独学者、そしてWordPress運用や小規模サーバ保守に関わる方です。
本ロードマップでは、次の要素を毎日ひとつずつ積み上げます。
- ファイル操作・権限・プロセスなどの基礎
- find/grep/awk/sedでの検索と整形の“型”
- ネットワーク基本(ping/curl/ss)による切り分け
- SSH鍵運用・~/.ssh/configでの安全な接続
- cronの安全設計(ロック・ログ・通知)とログの読み方
- 仕上げとして、日次レポートを自動生成する小さな実務課題
各日のパートは、到達目標 → コマンド例 → よくある落とし穴 → 練習課題 → できたことチェックの流れで構成。最短ステップでつまずきを減らし、明日の業務ですぐ試せる形に整えています。
環境はWSL/macOSターミナル/LinuxサーバのいずれでもOK。必要な初期設定やエイリアスのサンプルも付属します。
14日後には、「用語を知っている」段階から、“困りごとをCUIで解決できる人”へ。安全に、再現性高く、迷わない運用の基準を手に入れましょう。
- ゴールと前提(端末・WSL/Cloud VM・エディタ)
- 14日プラン
- Day1 環境整備(シェル/プロンプト/エイリアス)
- Day2 ファイル&ディレクトリ操作(mv/cp/ln/パス)
- Day3 権限と所有(chmod/chown/umask)
- Day4 リダイレクト&パイプ(>| >> | 2> | xargs)
- Day5 検索の型(find+exec/grep入門)
- Day6 テキスト処理の入口(awk/sed 10例)
- Day7 圧縮・アーカイブ(tar/gzip/zip)
- Day8 プロセスとジョブ管理(ps/top/kill/pkill)
- Day9 ネットワーク基礎(ping/curl/ss)
- Day10 パッケージ管理&PATH(apt/yum/which)
- Day11 SSH鍵&config整備(無パス接続)
- Day12 cronの安全設計(ロック・ログ・通知)
- Day13 ログの読み方(tail/journalctl/ローテーション)
- Day14 仕上げ課題(ログ要約→日次レポート自動送信)
- 14日完走、おめでとうございます —— “困りごとをCUIで解決できる人”へ
- 最後の確認チェックリスト(出来るようになること20)
- 学びを実践する – レンタルサーバー/VPSで解決できること
- まとめ
- 関連記事
ゴールと前提(端末・WSL/Cloud VM・エディタ)
ゴール
- ターミナルでの移動・作成・削除・検索・整形・転送が安全に行える
- ファイル権限とプロセス管理を理解し、軽度の障害を自力で切り分けられる
- SSH鍵運用と
cronの安全設計ができ、ログを読み、簡単な自動レポートを作れる
前提環境
- 対応:macOSターミナル/WSL2(Ubuntu推奨)/Linuxサーバ(Debian/Ubuntu系またはRHEL系)
- 権限:基本は一般ユーザー、必要時のみ
sudo - パッケージ:
curl git jq unzip treeは導入(例:sudo apt-get update && sudo apt-get install -y curl git jq unzip tree) - エディタ:
nanoorvim(好みでOK) - ワークスペース:
~/playgroundを作成し学習用の作業はこの配下で実施
安全ルール
- 危険コマンドは対話オプションを標準化(例:
alias rm='rm -i') - ワイルドカードは必ず
echoで事前確認(例:echo *.log) find×xargsは-print0/-0の組み合わせで空白対策- 実運用ファイルは必ずバックアップを取ってから操作
各回で考える自分で深掘りミニ手順(約5分)
このロードマップは最短で手が動くことを優先しており、各日の項目ですべての背景・オプションを網羅しません。だからこそ、毎回つぎの“自分で深掘りミニ手順(約5分)”を回してください。
- 何をしている?——そのコマンドを一言で自分の言葉にする
- 何の意味?——
--help/man/tldrで主要オプション3つと**戻り値(終了コード)**を確認 - 危険ポイント——破壊的な挙動(例:
rm -rf、chmod -R、find … -exec …)を洗い出す - 入出力の型——「入力は何か(stdin/引数)→出力はどこへ(stdout/stderr/ファイル)」を図解メモ
- 1回応用——サンプルを変えて再現 or 直前のコマンドと1本パイプで連結してみる
- 3行メモ——「困った点/解決コマンド/注意点」を
logs/notes.mdにタグ付き(例:#perm #path #regex)
調べ方の型:
- 検索語は「コマンド名 意味 例」「オプション名 とは」「mac 違い」で当てにいく
which/command -vで実行されている実体を確認、--versionで差分を把握- 可能なら
--dry-run/echoでドライラン、find -printで対象を先に可視化してから本番実行
この“深掘りミニ手順”を毎日回すだけで、暗記ではなく理解→再現→応用へ進みます。
14日プラン
Day1 環境整備(シェル/プロンプト/エイリアス)
到達目標:作業用ディレクトリと基本の.bashrcを整え、毎日の操作をブースト。
コマンド例
mkdir -p ~/playground/{logs,tmp,sample}
echo 'alias ll="ls -alF"' >> ~/.bashrc
echo 'alias gs="git status"' >> ~/.bashrc
echo 'export EDITOR=vim' >> ~/.bashrc
# 見やすいプロンプト(シンプル例)
echo 'PS1="\u@\h:\w$ "' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
よくある落とし穴:~/.bashrcを編集後にsourceし忘れる/aliasの上書き衝突。
練習課題:~/playground/sample直下に3つの空ファイルa.txt b.txt c.txtを一括作成。
できたことチェック:llで期待どおりの表示、EDITORが設定済み。
Day2 ファイル&ディレクトリ操作(mv/cp/ln/パス)
到達目標:移動・コピー・削除・リンクを安全に扱い、相対・絶対パスを区別できる。
コマンド例
cd ~/playground
touch "my notes.txt" && mkdir -p dir/sub
cp -iv sample/a.txt dir/
mv -iv "my notes.txt" dir/sub/notes.txt
ln -s dir/sub/notes.txt notes-link.txt
rm -i c.txt # 対話削除
よくある落とし穴:空白を含むファイル名の未クォート/rm -rfの誤爆。
練習課題:sample配下の*.txtをdir/へ一括コピー後、dir/内でreport_YYYYMMDD.txtにリネーム。
できたことチェック:シンボリックリンクと実体の違いを説明できる。
Day3 権限と所有(chmod/chown/umask)
到達目標:記号・数値表記のchmodを使い分け、umaskで既定権限を管理できる。
コマンド例
cd ~/playground
umask # 現在値を確認(例:0022)
touch secure.sh && chmod u+x secure.sh # 実行権限付与
chmod g-w dir/sub/notes.txt # 記号表記で権限調整
# 所有者変更(学習環境ではデモのみ)
# sudo chown user:group file
よくある落とし穴:~/.ssh/id_ed25519が600でない→SSHが拒否。
練習課題:secure.shを所有者のみ読書き実行(700)に、notes.txtを640に設定。違いを言語化。
できたことチェック:-rwx------→700など、記号⇄数値の相互変換ができる。
Day4 リダイレクト&パイプ(>| >> | 2> | xargs)
到達目標:標準出力/標準エラーを意識し、結果をファイル化・連鎖処理できる。
コマンド例
cd ~/playground
echo "hello" > logs/out.log # 上書き
echo "world" >> logs/out.log # 追記
ls not_exist 2> logs/err.log # エラーのみ保存
grep -R "TODO" . 2>/dev/null | tee logs/todo.list
# find + xargs(空白安全)
find . -type f -name "*.txt" -print0 | xargs -0 wc -l | tee logs/lines.txt
よくある落とし穴:2>&1の位置ミス/>で誤上書き(set -o noclobberや>|の意味を理解)。
練習課題:logs/配下に成功ログとエラーログを分離保存し、最終行数だけを要約。
できたことチェック:stdout/stderrの違いとリダイレクト記法を説明できる。
Day5 検索の型(find+exec/grep入門)
到達目標:ファイル探索と内容検索を組み合わせ、欲しい行だけを精確に抽出できる。
コマンド例
cd ~/playground
# 更新から2日以内のPHPを列挙
find . -type f -name "*.php" -mtime -2 -print
# サイズが5MB超のログだけ圧縮
find logs -type f -name "*.log" -size +5M -print0 \
| xargs -0 -I{} gzip -9 "{}"
# 再帰検索と抜粋表示
grep -RniE "error|warning" logs/ --color=auto | head
よくある落とし穴:grep -Rでバイナリ誤検出→--binary-files=without-matchや拡張子制限を活用。
練習課題:~/playground内で**本日更新された.txt**のファイル名だけを抽出し、logs/today.txtに保存。
できたことチェック:findの時刻(-mtime)・サイズ(-size)・実行(-exec/xargs)の使い所を言語化。
Day6 テキスト処理の入口(awk/sed 10例)
到達目標:CSV/ログから欲しい列・行だけを抽出し、集計や置換の“型”を使い回せる。
コマンド例
cd ~/playground
# 0) サンプルCSVを用意(user,action,value)
printf "user,action,value\nu1,click,10\nu2,view,5\nu1,click,7\n" > sample/data.csv
# 1) ヘッダを除いて3列目だけ合計(awk)
awk -F, 'NR>1 {sum+=$3} END {print sum}' sample/data.csv # => 22
# 2) 特定ユーザーu1のみ抽出(awk)
awk -F, 'NR==1 || $1=="u1"' sample/data.csv
# 3) 列の並べ替え(1列目と3列目を出力)
awk -F, 'NR==1{print "user,value"; next} {print $1","$3}' sample/data.csv
# 4) 値が10以上の行だけ(数値条件)
awk -F, 'NR==1 || $3>=10' sample/data.csv
# 5) エラーログから「ERROR」行の時刻とメッセージだけ抜粋(grep+awk)
# 例: "2025-09-08 12:34:56 [ERROR] detail..."
grep "\[ERROR\]" logs/out.log | awk '{print $1,$2,$0}' # 先頭2カラム=日時
# 6) 前後の空白を削る(sed)
echo " hello " | sed -E 's/^[[:space:]]+//; s/[[:space:]]+$//'
# 7) ドメインを別の値へ一括置換(sed -i はGNU/Mac差に注意)
# GNU: sed -i 's/old.example.com/new.example.com/g' file
# macOS: sed -i '' 's/old.example.com/new.example.com/g' file
# 8) 2〜4行目だけ抜き出し(sed)
nl -ba sample/data.csv | sed -n '2,4p'
# 9) JSONの特定キーだけ取り出し(jq)
printf '{"ip":"1.2.3.4","ua":"curl"}\n' > sample/req.json
jq -r '.ip' sample/req.json
# 10) 複数ファイルから「ERROR」件数を集計(grep -c | awk)
grep -Rci "ERROR" logs/ | awk -F: '{sum+=$2} END{print sum}'
よくある落とし穴:
sed -iの挙動差(GNUは引数なし可、macOSは''必須)- FS(区切り文字)指定忘れでCSVが正しく割れない(
-F,) - 文字コード・改行コード差(
dos2unixで正規化)
練習課題:sample/data.csvでユーザーごとの合計値を算出し、降順に整列してlogs/sum_by_user.txtへ保存。
できたことチェック:**「ヘッダを残す/捨てる」「列の入れ替え」「条件抽出」「一括置換」**を一発で書ける。
Day7 圧縮・アーカイブ(tar/gzip/zip)
到達目標:ディレクトリを安全にまとめ、サイズ・展開先・除外をコントロールできる。
コマンド例
cd ~/playground
# tarでアーカイブ作成(圧縮なし/あり)
tar -cvf backup/playground.tar ./sample ./logs
tar -czvf backup/playground.tgz ./sample ./logs # gzip圧縮
# 展開(-Cで展開先を指定)
mkdir -p tmp && tar -xzvf backup/playground.tgz -C tmp
# 内容だけ確認(-t)
tar -tvf backup/playground.tgz | head
# 除外して固める(例:*.log は除外)
tar -czvf backup/code.tgz ./ --exclude="*.log"
# 単体ファイルはgzip/zipも便利
gzip -9 logs/out.log # => out.log.gz
gunzip logs/out.log.gz
zip -r backup/notes.zip dir/ # zip
unzip -l backup/notes.zip | head # 目次
よくある落とし穴:
- 展開時の相対パス/絶対パスの違いを誤る(
-Cで安全に) - 大容量ログ圧縮でディスク逼迫(作成後に元を削除する順序を確認)
- 除外パターンの位置(
--excludeは対象の直前で記述)
練習課題:~/playgroundをbackup/all-YYYYMMDD.tgzに固め、-tで内容を検証。*.logだけ個別gzip。
できたことチェック:**「作成→検証→展開」「除外」「gzip/zipの使い分け」**を説明できる。
Day8 プロセスとジョブ管理(ps/top/kill/pkill)
到達目標:高負荷プロセスの特定、正しい終了シグナル送信、バックグラウンド実行を扱える。
コマンド例
cd ~/playground
# 負荷の高いプロセス確認(top/ps)
top -o %CPU # 並べ替え
ps aux --sort=-%cpu | head
# 親子関係の把握(pstree があれば)
# sudo apt-get install -y psmisc
pstree -ap | head
# 終了シグナル(まずはTERM、最終手段でKILL)
# 例: PID=12345 を穏やかに終了
kill -TERM 12345
# 応答なし→強制終了
kill -KILL 12345
# 名前で終了(曖昧一致に注意)
pkill -f "python .*server.py" # コマンドラインに一致
# バックグラウンド&ジョブ制御
sleep 300 &
jobs
fg %1 # 前面に戻す
bg %1 # 背景で継続
disown %1 # シェルを閉じても継続(ログ管理は別途)
よくある落とし穴:
- いきなり
-KILLで後始末が走らずデータ破損 pkillのパターンが広すぎて無関係プロセスが落ちる- バックグラウンド化だけでログが行方不明(
stdout/stderrをファイルへ)
練習課題:ポート8080を掴んでいるプロセスをss -ltnpで特定→TERMで安全終了。
できたことチェック:TERM→KILLの手順と、jobs/fg/bg/disownの違いを説明できる。
Day9 ネットワーク基礎(ping/curl/ss)
到達目標:疎通/名前解決/HTTP応答のどこで詰まっているかを段階的に切り分けられる。
コマンド例
# 疎通(ICMPが落ちている環境では失敗する前提で判断)
ping -c 4 example.com
# 名前解決→IPで直接
getent hosts example.com || nslookup example.com
ping -c 4 93.184.216.34 # 例: example.com のAレコードIP
# HTTPヘッダだけ(-I)、応答時間要約(-w)
curl -I https://example.com
curl -sS -o /dev/null -w "code:%{http_code} time:%{time_total}\n" https://example.com
# TLS検証を無効化(原因切り分けの最終手段)
curl -I -k https://self-signed.example
# LISTEN/接続の把握(ss)
ss -ltnp | head # LISTENのTCP
ss -tnp dst :443 | head # 443宛の接続
よくある落とし穴:
- ICMPブロックで
pingだけ失敗→疎通不可と誤判定 - プロキシ環境での
curl(http_proxy/https_proxy未設定) - SNI/TLS失敗をDNS問題と取り違える
練習課題:任意のサイトでDNS→ICMP→HTTPの順で切り分けメモを作り、logs/netcheck.txtに出力。
できたことチェック:レイヤ別の切り分け順を“手順で”説明できる。
Day10 パッケージ管理&PATH(apt/yum/which)
到達目標:コマンドの所在とバージョンを把握し、PATHの優先順位と更新手順を理解する。
コマンド例
# どのバイナリが呼ばれているか
which jq || command -v jq
# Debian/Ubuntu系(apt)
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y jq
apt-cache policy jq # 候補とインストール済みを確認
# RHEL系(yum/dnf)
# sudo dnf install -y jq
# バージョン確認と所在
jq --version
dpkg -L jq | head # Debian: どのファイルが入ったか一覧
# PATHの確認と追加(~/.bashrc)
echo $PATH
echo 'export PATH="$HOME/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc && source ~/.bashrc
よくある落とし穴:
apt-get updateを忘れて古いメタデータのまま失敗PATHに同名コマンドが複数→意図しないバージョンが実行- OS系パッケージと手動ビルドの混在で依存が壊れる
練習課題:jqをインストール→which jqとjq --versionで確認。$HOME/binをPATH先頭に追加。
できたことチェック:**「which/command -v」「aptの基本」「PATHの優先」**を説明できる。
Day11 SSH鍵&config整備(無パス接続)
到達目標:鍵作成→配備→権限→~/.ssh/configの基本を押さえ、毎回のパスワード入力から解放される。
コマンド例
# 鍵作成(ed25519 推奨)
ssh-keygen -t ed25519 -C "you@example.com"
# 公開鍵をサーバへ配備(初回のみパスワード要求)
ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_ed25519.pub user@server.example.com
# パーミッション(厳格)
chmod 700 ~/.ssh
chmod 600 ~/.ssh/id_ed25519
chmod 644 ~/.ssh/id_ed25519.pub
# ~/.ssh/config の最小構成
cat >> ~/.ssh/config <<'EOF'
Host mysv
HostName server.example.com
User user
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519
IdentitiesOnly yes
ServerAliveInterval 30
ServerAliveCountMax 3
EOF
# 接続テスト(詳細ログ)
ssh -v mysv
よくある落とし穴:
- 秘密鍵の権限が緩い(
600未満)→「Bad permissions」で拒否 IdentitiesOnly yesが無く複数鍵で試行→多要素誤爆やレート制限known_hosts不一致(再構築後)→中間者攻撃警告を雑に無視しない(確認して更新)
練習課題:踏み台経由の設定(ProxyJump bastion)を加え、ssh mysv一発で到達。
できたことチェック:鍵作成→配備→権限→configの順序と理由を説明できる。
Day12 cronの安全設計(ロック・ログ・通知)
到達目標:ジョブの多重起動防止・失敗検知・ログ保全を仕組みで担保する。
コマンド例
# ロック付き実行の雛形(/usr/bin/flock)
cat > ~/playground/scripts/daily_report.sh <<'SH'
#!/usr/bin/env bash
set -Eeuo pipefail
logdir="$HOME/playground/logs"
mkdir -p "$logdir"
{
echo "== $(date '+%F %T') START =="
# 本処理:例)ログ集計
echo "lines: $(wc -l "$logdir"/*.log 2>/dev/null | tail -n1)"
echo "== $(date '+%F %T') END =="
} >> "$logdir/daily_report.run.log" 2>&1
SH
chmod +x ~/playground/scripts/daily_report.sh
# cron 設定(毎日 08:00)
# 多重起動防止:flock -n /tmp/daily_report.lock
( crontab -l 2>/dev/null; \
echo '0 8 * * * /usr/bin/flock -n /tmp/daily_report.lock $HOME/playground/scripts/daily_report.sh || echo "locked" >> $HOME/playground/logs/daily_report.locklog' \
) | crontab -
# 終了コードを通知(mailがある場合の一例)
# 失敗時だけメールするなら、シェル内でtrap+mailを実装
よくある落とし穴:
PATHが狭いcron環境でコマンド未検出(絶対パスで書く)- 標準出力/標準エラーが宙に浮く→ログファイルへ明示
- リトライ暴走(flockや状態ファイルで同時実行制御)
練習課題:daily_report.shに終了コード判定と失敗時リトライ1回を追加。
できたことチェック:flock・ログ・終了コードの3点セットを説明できる。
Day13 ログの読み方(tail/journalctl/ローテーション)
到達目標:サービスログの閲覧・検索・期間指定と、ローテーションの存在を理解する。
コマンド例
# 追跡(リアルタイム)
tail -F /var/log/nginx/access.log | head -n 0 # 実行中は別タブ推奨
# systemd 管理のサービスログ
sudo journalctl -u nginx --since "today" --no-pager | head
sudo journalctl -u nginx --since "2025-09-01" --until "2025-09-08 12:00"
# レベルや件数で要約
sudo journalctl -p err -n 100 --no-pager
# ローテーション設定の所在(例: logrotate)
sudo ls /etc/logrotate.d | head
sudo cat /etc/logrotate.conf | sed -n '1,50p'
よくある落とし穴:
tail -f対象がローテートで切替→表示が止まる(-Fで再追跡)journalctlの期間指定を誤る→ゼロ件と勘違い- コンテナ環境でホストログと別(
docker logsやdriver設定を確認)
練習課題:任意サービスの今日のERROR件数をjournalctl -p err --since "today"で集計し、logs/err_today.txtに保存。
できたことチェック:tail -Fとjournalctlの使い分けを言語化できる。
Day14 仕上げ課題(ログ要約→日次レポート自動送信)
到達目標:過去13日で学んだ要素をつなぎ、再現性ある小さな自動化を完成させる。
課題の流れ
- 対象ログを決める(Nginxアクセスログなど)
awk/sedで上位URL/UA/ステータスを要約- 要約結果を日付付きファイルへ保存
cron + flockで毎朝08:00に実行- 成功/失敗をログに残す(任意でメール通知)
サンプル雛形
#!/usr/bin/env bash
set -Eeuo pipefail
src="/var/log/nginx/access.log"
out="$HOME/playground/logs/report-$(date '+%F').txt"
{
echo "=== Daily Access Summary $(date '+%F %T') ==="
echo "[Top URLs]"
awk '{print $7}' "$src" | sort | uniq -c | sort -nr | head -10
echo
echo "[Status Codes]"
awk '{print $9}' "$src" | sort | uniq -c | sort -nr | head -10
echo
echo "[Top User-Agents]"
awk -F\" '{print $6}' "$src" | sort | uniq -c | sort -nr | head -5
} > "$out"
よくある落とし穴:
- ログ形式(列位置)が環境で異なる→フォーマット前提を確認
- ローテーションで前日分が別ファイル→前日ファイルを対象に切替
cronで権限不足(srcへの読み取り権限を調整)
練習課題:要約にレスポンスタイム分布や上位IPを追加し、3日分のレポートを連結要約。
できたことチェック:1日1ファイルの要約を自動で生成できる。
14日完走、おめでとうございます —— “困りごとをCUIで解決できる人”へ
ここまで毎日手を動かし、積み上げたあなたは、もうコマンドを知っている人ではなく、状況を見て最短で動ける人です。
学びを現場の結果に変える力(再現性・安全性・スピード)が身につきました。胸を張っていきましょう。
ここまででできるようになったこと(実務での変化)
- 初動対応が速い:DNS→ICMP→HTTPでレイヤ順に切り分け、原因を早期に仮説化できる
- 安全なファイル操作:空白・大容量・除外を意識した
find×xargsやtar --excludeが当たり前に - 権限を言語化:
700/600/644を場面ごとに選べる(~/.sshや秘密鍵の“正しい”厳格運用) - ログを要約できる:
awk/sed/jqで“欲しい指標だけ”を抽出し、1行でレポート化 - 再現可能な自動化:
cron + flock + ログ + 終了コードの型で、壊れない定例実行を設計 - SSH接続の標準化:
~/.ssh/configで多環境を一発接続、踏み台経由も迷わない - パスとPATHの理解:どのバイナリが動いているかを常に把握し、事故を未然に防ぐ
- “証拠を残す”運用:
teeやログ設計で、後追い検証・共有がスムーズに
迷わない初動対応の型(あなたのデフォルト手順)
- 症状の定義:何が/いつから/どの範囲で
- 最小再現:1コマンドで再現できる形に落とす
- レイヤ切り分け:名前解決→疎通→アプリ→権限→容量→プロセス
- 証拠の取得:ログ・終了コード・指標をファイルで保存
- 暫定対処→恒久策:ワンライナー→スクリプト→
cronで仕組みに格上げ
この5手順を“型”として回せるのが、14日完走の実力です。
明日からの実務をアップグレードする具体策
- 1日1改善:よく行う3操作を関数/エイリアス化(
~/.bashrcに集約) - 失敗帳:エラーと直し方を3行で
logs/failures.mdに追記していく - 週次レビュー(15分):ログと自動化ジョブのエラー率/所要時間を点検
- スニペット化:使える1行をカテゴリ別ファイルへ(
snippets/find.txtなど)
次のチャレンジ
さらなる学習を目指す人には以下の題材がおすすめです。
- 監視と通知の強化:Uptime+メトリクス(CPU/メモリ/ディスク)→閾値通知
- バックアップの体系化:フル/差分+ローテーション+復元リハーサルの定例化
- ログ運用の高度化:遅延分布・上位URL/UA・IP集計を日次ダッシュボード化
- WordPress運用の自動化:WP-CLIでバックアップ→アップデート→整合性チェックの一連をスクリプト化
- コンテナ基礎:Dockerで学習環境を使い捨て&再現できるようにする
14日の証跡を“資産”にする(見える成果物)
- GitHubリポジトリ:
scripts/とsnippets/、cron/設定、logs/サンプルをまとめる - 実績ノート:起点(問題)→手順→結果→再発防止を1テーマ1ページで公開可能な形へ
- 自己評価シート:できること20を定点観測(月1更新)し、伸びを可視化
ここまで来たあなたなら、もう“作業者”ではなく、再現性と安全性で価値を出す人です。
最後の確認チェックリスト(出来るようになること20)
14日間を終えたあなたに向けた、振り返りのためのチェックリストを作成しました。
ここで挙げる20項目は、明日からの運用に直結する最低限の動作確認です。満点よりも“穴の早期発見”を目的に使ってください。
llやエイリアスで作業を短縮できる- 相対/絶対パスを意識して移動・コピー・リンクを使い分けられる
chmod/chown/umaskの数値/記号表記を相互に説明できるstdout/stderrの違いと>/>>/2>/2>&1の意味を説明できるfindで時刻・サイズ・型・除外を組み合わせられるgrep -Rと正規表現、--binary-filesの使い所を説明できるawk/sed/jqで列抽出・置換・JSON抽出ができるtarの作成/展開/検証と--excludeの使い方を説明できるgzip/zipの使い分けができるtop/ps/pstreeで高負荷プロセスの原因を当てられるTERM→KILLの順で安全終了できるjobs/fg/bg/disownを使い分けられるping/getent/curl/ssで層別に切り分けられるapt(またはdnf)の基本操作とPATHの優先順位を理解しているssh-keygen/ssh-copy-id→~/.ssh/configで無パス接続を整備できるflockで多重起動を防ぎ、cron×ログで運用できるjournalctlとtail -Fの違いを説明できる- ログ要約の雛形を修正して自分の環境に合わせられる
- 「変更はまず検証環境で」実行し、ログと終了コードを確認する
- 自動化にロック/ログ/通知の最低限を常に付ける
14日間の積み上げが終わったら、実務の“困りごと”を1つ選んで、この雛形を土台に自分用の小さな運用自動化を増やしていきましょう。反復と記録が、最速の近道です。
学びを実践する – レンタルサーバー/VPSで解決できること
このロードマップを読んで実際に学習を進めている人にとって、次の課題は「学んだコマンドをどこで実際に活かすか」です。
BashやLinuxコマンドは、自分のPC上だけでなく レンタルサーバーやVPS を契約することで、次のような実務に直結する使い道があります。
- レンタルサーバーの場合
- SSHで安全にログインして、WordPressやメール環境を効率よく操作
- cronを使ってバックアップやキャッシュ削除を自動化
- WP-CLIでWordPressをコマンドから操作して、更新作業を時短
→ 「学んだBashが、すぐにWebサイト運営や自動化に役立つ」
- VPSの場合
- root権限で自由に環境を構築(NginxやDockerなども導入可能)
- 自作のスクリプトを常駐させ、Botや通知システムを動かせる
- ログ監視やセキュリティ制御も自分で設計でき、学習と実務が直結
→ 「制約のない環境で、Bashを本格的に活かせる」
14日で学んだBashの基礎を「実際に運用で使える力」に変えるには、環境選びが重要です。
- まずはレンタルサーバーで、学んだ知識を日常運用に落とし込む
- さらに学びを深めたいなら、VPSで自由度の高い実践環境を構築する
→ 次は、環境別に「Bashで解決できること」を見てみましょう。
まとめ
14日間の積み上げで、コマンドの暗記から一歩進み、再現性・安全性・スピードのそろった“運用の型”を手に入れました。環境整備、権限、検索と整形、ネットワーク切り分け、SSH、cron、ログ要約までをひと通り自力で回せる今なら、現場の小さな困りごとを仕組みで解決へと置き換えていけます。
ここからは、学んだ断片を“資産”にまとめていきましょう。よく使う一行は関数化して~/.bashrcへ、定例作業はflock + ログ + 終了コードで安全に自動化、調査や失敗の気づきは3行メモで蓄積。小さな改善でも、継続すれば確かな差になります。
次の一歩としては、以下の順に拡張するのがおすすめです。
- ログ調査ロードマップ:grep/awk/sedで“仮説→証拠”の速度を上げる
- SSH鍵・DBバックアップ実践:接続の標準化と復元まで含めた安心運用
- 定期バックアップの体系化:世代管理と復元リハーサルの定例化
学びはここで終わりではありません。1日1改善を合言葉に、スニペットとスクリプトを増やし、チームや未来の自分が迷わない運用へ。今日できたことを明日の標準に—その繰り返しが、強いインフラと穏やかな日常を連れてきます。

