概要
RHCSA(Red Hat Certified System Administrator) は、Red Hat が提供する Linux 技術者認定試験で、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)を基盤とした実技試験です。
合格者は「RHEL 環境を使ったシステム管理タスクを、現場レベルで実施できる」スキルを証明できます。
現行バージョンは EX200(RHEL 9 対応)。有効期限は 3 年 で、上位資格(RHCE など)に進むことで更新されます。試験は 実機操作形式 で、暗記よりも 手順を確実に再現できる実力 が求められます。
- 想定読者:Linux 実務 1~2 年、あるいは LinuC/LPIC-1 相当を修了した方
- 前提スキル:ファイル操作・権限・シェルスクリプト・基本的なサービス設定
- 合格目標:学習 100–120 時間(演習中心)
試験情報(要点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験コード | EX200 |
| 試験形式 | 実技試験(パフォーマンスベース) |
| 試験時間 | 2.5 時間 |
| 合格基準 | 210/300(70%) |
| 出題言語 | 英語(日本語環境もあり) |
| 受験方法 | 試験センターまたはリモート試験(Red Hat 提供) |
| 有効期限 | 3 年 |
| 費用目安 | 約 ¥50,000〜¥60,000(地域により変動) |
出典:Red Hat 認定概要・公式試験ガイド。
出題範囲(EX200 主題の例)
| ドメイン | 主な内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 基本システム管理 | ファイル操作、ユーザー/グループ、パーミッション、SELinux | |
| ストレージ管理 | パーティション、LVM、マウント、swap | |
| プロセスとサービス | systemd、サービス管理、自動起動設定 | |
| ネットワーク設定 | nmcli、IP 設定、ホスト名、ファイアウォール | |
| パッケージ管理 | rpm、dnf、リポジトリ設定 | |
| ログとモニタリング | journalctl、ログ解析、リソース確認 | |
| シェルスクリプト | 条件分岐、ループ、タスク自動化 | |
| セキュリティ基礎 | firewalld、SELinux、ユーザー制御 | |
| コンテナ基礎 | Podman によるコンテナ操作 | RHEL 9 で追加要素 |
(範囲は RHEL 9 ベース。必ず 最新試験ガイドを確認してください)
学習の道筋(章立てと到達基準)
- ユーザー/権限/SELinux
到達基準:useradd/usermod/passwd、chmod/chown、SELinux の確認とモード変更を自在にできる。 - systemd とサービス管理
到達基準:systemctlでサービスの起動・自動起動設定を安定実施。 - ストレージと LVM
到達基準:パーティション作成→LVM 論理ボリューム→マウント設定を手順化できる。 - ネットワーク設定とセキュリティ
到達基準:nmcliで IP/ホスト名変更、firewalldでサービス開放。 - スクリプトと自動化
到達基準:シェルスクリプトでログ集計や cron 定期化を安定実行。 - コンテナ基礎(Podman)
到達基準:イメージ取得→コンテナ起動→サービス提供まで再現可能。
学習時間の目安
- 合計:100–120 時間(ラボ環境での反復中心)
- 配分:基礎 30%/演習 50%/模擬試験 20%
RHCSA は「読んで理解」ではなく「叩いて再現」。ラボ環境を構築し、毎日 1 時間でも手を動かすことが合格の鍵です。
弱点克服の順序(推奨)
- systemctl/ユーザー管理(最頻出で短時間得点化)
- LVM/ストレージ管理(手順が長く、誤ると致命的)
- ネットワーク/firewalld/SELinux(環境ごとの差異に注意)
- Podman コンテナ(新領域。模擬で経験値を積む)
推奨参考資料
- 一次情報:Red Hat Certified System Administrator (RHCSA) Exam (EX200) 公式ガイド
- 書籍:RHCSA/RHCE Red Hat Linux Certification Study Guide (RHEL 9 対応版)
- ラボ環境:RHEL Developer サブスクリプション(無償利用枠)、VirtualBox/KVM での演習
- 模擬試験:Red Hat 提供のサンプル問題、外部トレーニングサービス
演習・ハンズオン(外部/bash道)
- 外部:Red Hat Training、reddit – RHCSA EX200 に最適な Udemy コース
- bash道:
- コマンド索引:
dnf/rpm/nmcli/journalctl
- コマンド索引:
学習ログ(コピペ用)
日付:
学習セット:□ 1 □ 2 □ 3
今日できた:
詰まった点:
明日やること:
模試・直前対策
- 直前 1 週間:systemctl、LVM、firewalld、Podman を反復。1 日 1 セット模擬試験を実施。
- 当日の戦術:問題は部分点あり。最初に確実にできるタスクから手を付ける。時間配分を常に意識。
よくある質問(FAQ)
Q. RHCSA は記述問題はありますか?
A. ありません。全て実機操作形式のタスクベースです。
Q. どの Linux ディストリで練習すべき?
A. 必ず RHEL 9 環境。CentOS Stream 9 や Rocky Linux 9 も代替として有効。
Q. 有効期限は?
A. 3 年。更新には再受験か上位資格(RHCE など)合格が必要です。
参考リンク
- Red Hat Certification – RHCSA (EX200)(公式概要)
- Red Hat 認定制度サマリー(認定資格の有効期限・更新ポリシー)

