Linux を学び始めたいけれど、どこから手を付ければいいか分からない――
そんな初学者に向けて用意されたのが、LPI-Japan が無償公開している 「Linux標準教科書」 です。
この教材は、黒い画面(ターミナル)に慣れるところから、
基本コマンド・権限・プロセス・ネットワークの超基礎までを、
“手を動かしながら” 一通り身につける 入門テキスト。
PDF/EPUB は 無料 で入手でき、独学でも授業でも使いやすい構成になっています。
(Kindle・製本など有償版も選べます)
この記事で分かること
- 「Linux標準教科書」とは何か(想定読者・到達点・入手方法)
- 章立ての全体像と、学ぶと何ができるようになるか
- 効率的な読み進め方(環境づくり/つまずき対処)
- LinuC レベル1の基礎学習としての活用ポイント
- 姉妹教材(サーバー構築/システム管理)との使い分け
こんな人におすすめ
- Linux が はじめて。黒い画面に 苦手意識がある
- コマンドの 意味と挙動を体験しながら覚えたい
- LinuC 学習の 最初の一冊 を探している
- まずは 無料で基礎固め をしたい
“よくある悩み” と この教材のアプローチ
| 悩み | 教科書の解決アプローチ |
|---|---|
| どの順序で学べば? | 章立てが明快。環境構築 → 基本操作 → 権限 → ネットワーク → プロセス と段階的 |
| 読むだけで終わる… | 各章に 実習。入力→挙動確認→振り返りで 手に馴染む |
| 情報が散らばって非効率 | PDF 一冊に 要点が整理。初学者に 必要十分 な範囲に絞り込み |
| 試験と実務のつながりが不安 | LinuC レベル1の基礎 と 現場の初歩作法 を同時に押さえる |
本記事は、「知らなくても読み始められる」 を合言葉に、
最短距離で基礎を固めるための読み方と活用法をガイドします。Linux技術者認定LinuCについて、出題範囲や学習の道筋についてはこちらの記事でまとめています → LinuC
「Linux標準教科書」とは
教材の概要・位置づけ
LPI-Japan が無償公開している、Linux 入門の定番教材です。
「ターミナルに慣れる」から「基本操作を体系化する」まで、実習中心で進みます。
授業でも独学でも使えるように、
学習環境の準備 → 基本操作 → 権限 → ネットワーク → プロセス
と、初学者がつまずきにくい順序で構成されています。
提供形態とライセンス
- PDF/EPUB:無料でダウンロードしてすぐ学習開始
- Kindle/製本:好みに応じて選べる有償版(オフライン・書き込み向き)
- ライセンス:CC BY-NC-ND 4.0(表示・非営利・改変禁止)
教育・個人学習で安心して使える条件です
想定読者と到達点
- Linux はじめての方
- 黒い画面が不安な方
- LinuC レベル1 の基礎固めをしたい方
学び終えると、次ができるようになります。
- 主要な基本コマンドを、意味と挙動を理解して使える
- ファイル/ディレクトリ/権限の“型”を押さえて安全に操作できる
- ネットワーク設定・プロセス確認など、現場の初歩作法に踏み出せる
- 次段の教材(サーバー構築/システム管理)へスムーズに進める土台ができる
章立てと “できること” 早見表
| 章 | 学べること(要点) |
|---|---|
| 第1章 Linuxを学ぶ | Linuxとは/学び方の全体像をつかむ |
| 第2章 VirtualBoxのインストールと仮想マシン作成 | 学習用 VM を用意して“安全な練習場”を作る |
| 第3章 Linuxのインストールと設定 | AlmaLinux を入れて初期設定・ログインまで通す |
| 第4章 Linuxを操作してみよう | シェルの基本操作を体験し“黒い画面”に慣れる |
| 第5章 基本的なコマンド | ls cp mv rm など日常操作の要点と実習 |
| 第6章 標準入出力とフィルタ | リダイレクト/パイプ/grep で情報をつなぐ |
| 第7章 viエディタ | vi の基本操作で設定ファイルを安全に編集 |
| 第8章 ユーザーとグループの管理 | アカウント作成・権限付与・sudo の基本 |
| 第9章 アクセス制御 | パーミッション/所有権で“触ってよい範囲”を設計 |
| 第10章 ネットワーク設定と管理 | IP・ホスト名・SSH など接続まわりの基礎 |
| 第11章 プロセス管理 | ps top kill 等で“いま何が動いているか”を把握 |
ヒント:
駆け足で基礎を固めたい方は、4〜7章 → 8〜11章の順で“2ブロック”に分けると定着しやすいです。
はじめかた:学習環境の作り方
まず決める:どの環境で学ぶ?
| 選択肢 | 手軽さ | 失敗しても安全 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| WSL2(Windows 10/11) | とても手軽 | Windows側は無傷 | ノートPC一台でサクッと始めたい |
| VirtualBox + 仮想マシン(VM) | 普通 | スナップショットで巻き戻せる | ネットワークやストレージも含め“サーバーっぽく”練習したい |
| 実機にインストール | 手間がかかる | 失敗=再インストール | 余っているPCがあり、本格的に触りたい |
最初の一歩は WSL2 か VM が無難。
「本格演習や試行錯誤を繰り返したい」なら VirtualBox のスナップショット が強力です。
推奨セットアップ(2通り)
A. Windowsで一番簡単:WSL2
- 「Windowsの機能の有効化」で WSL と 仮想マシンプラットフォーム を有効化
- 管理者PowerShellで
wsl --install - Microsoft Store から任意のディストリを導入(AlmaLinux系を使うならVMを推奨)
- 初期設定(ユーザー作成・パッケージ更新)
WSL2は手軽ですが、教材のネットワーク設定の章などはVMの方が再現しやすいです。
迷ったら 先にWSL2で基本操作 → VMで章をなぞる の二段構えが安定。
B. しっかり練習:VirtualBox + AlmaLinux 9
- VirtualBox をインストール
- AlmaLinux 9 のISOを取得
- VM作成(目安:CPU 2、メモリ 4GB、ディスク 40GB)
- ISOから起動してインストール
dnf updateで最新化、必要パッケージ導入
インストール直後に スナップショットを保存 しておくと、
演習で壊してもワンクリックで戻れます。
最初に入れておくと楽なもの(AlmaLinux 例)
sudo dnf -y update
sudo dnf -y install vim less git curl tar unzip rsync tree
vim/less:設定ファイル編集・ログ閲覧の基本tree:ディレクトリ構造の把握に便利git:学習メモをリポジトリで管理すると復習が捗る
安全に学ぶための小ワザ
- 一般ユーザー +
sudoで日常操作(root直操作は最小限) - スナップショット をこまめに切る(VM)
- 章の前に1つ、章の後に1つ残す運用が安定
- 変更ログを残す
- 触ったファイルパス、実行コマンド、エラーをメモ。原因追跡が楽に
- ネットワークは段階的に
- まずはNATで安定動作 → 必要に応じてBridgedで外部到達性を確認
実習開始チェックリスト
- OSを最新化した(
dnf update済み) - 一般ユーザーに
sudo権限がある - SSHでログインできる(Windowsなら標準SSHでOK)
- エディタ(
vi/vim)で保存・終了ができる - VMならスナップショット済み
効率的な読み進め方(独学ロードマップ)
学習ルール三か条
- 読むだけ禁止
例は必ず手元で再現し、結果を声に出して説明できる状態にする。 - 壊して戻す
うまくいかない操作もそのまま記録。VMはスナップショットで素早く巻き戻す。 - 記録は資産
実行コマンド・エラー・気づきを**学習ノート(GitでもOK)**に残す。
7日・14日・21日プラン(到達イメージつき)
| 期間 | デイリープラン | 到達目標 |
|---|---|---|
| 7日速習 | 1日目: 1–3章(環境準備)/2日目: 4章/3日目: 5章/4日目: 6章/5日目: 7章/6日目: 8–9章/7日目: 10–11章 | 基本操作を一通り体験。viで設定編集、ssh接続、ps/top/killでプロセス把握ができる |
| 14日標準 | 1週目: 1–6章(毎日1章+復習)/2週目: 7–11章(毎日1章+小課題) | コマンドの意味と挙動を説明できる。権限・ネットワーク・プロセスの基礎が安定 |
| 21日じっくり | 平日: 半章ずつ+演習追試/週末: 復習と小課題(ミニ運用) | 失敗→原因特定→復旧の型が身につく。自分の“チートシート”が整う |
ヒント:毎回学習の最初に10分復習、最後に10分の振り返りメモ。定着が段違いです。
つまずきポイントと回避策
| よくあるつまずき | 症状 | すぐ試す | 根本対策 |
|---|---|---|---|
| パス/カレント誤り | No such file or directory | pwd → ls -l → タブ補完で再入力 | 相対/絶対パスの図をノート化。ホームと/の違いを都度確認 |
| 権限エラー | Permission denied | ls -lで権限確認 → sudoで再実行 | 所有者/グループ/その他のrwxを表にして覚える。chmodは数値/記号両方練習 |
viから出られない | 焦ってウィンドウを閉じる | Esc → :wq/破棄は :q! | よく使う操作(移動/検索/置換)を10分だけ反復練習 |
| コマンドの意味が曖昧 | 借り物コマンドで事故 | --help / man / type / which をまず確認 | “実行前にオプションを読む”習慣。危険操作はダミー環境で |
| ネットワーク疎通不良 | sshできない/名前解決不可 | ip a → ping(IP/名前)→ ss -lnt | 物理層→IP→DNS→アプリの順でレイヤー分解して切り分け |
| PATHにない | command not found | echo $PATH → dnf providesで所在確認 | パスの通し方をメモ(~/.bashrc)。一時/恒久の違いを理解 |
学習ログの取り方(再現性が上がる)
- コマンド履歴を保存:
history -w、またはscript -a session.logで丸ごと記録 - 構成管理っぽく:
/etc配下の変更はバックアップ→変更差分を残す(cp -a,diff -u) - Gitでメモ管理:章ごとにコミット。復習時に差分で理解が深まる
ミニ課題(各章の仕上げ用)
- 5章:ホーム配下に日付入りバックアップを作るワンライナー(
tar/gzip) - 7章:
viだけで設定ファイルの検索→置換→保存を実施 - 8–9章:新規ユーザーに最小権限で作業ディレクトリを用意(
umask含む) - 10章:SSHのポート確認と接続制御の最小化(
sshd_configの読み方) - 11章:暴走プロセスの特定→終了→ログ確認までの手順を台本化
仕上げチェック(口頭で言えるか)
- 「ファイル権限
754の意味を説明できますか?」 - 「
grep | awk | sortでログからエラー回数上位5件を出せますか?」 - 「SSHで繋がらない時の最初の3手は?」
LinuCとの関係(レベル1の基礎対応)
「Linux標準教科書」は、LinuC レベル1の学習初期に最適な入門教材です。
ただし “合格直前の問題演習書” ではないため、基礎固め→問題集で仕上げ の二段構えがおすすめです。
どの章がどの出題領域に効く?(ざっくり対応表)
| 教科書の章 | LinuCレベル1で効く領域イメージ | ねらい |
|---|---|---|
| 第1–3章(学ぶ姿勢/VM準備/インストール) | システム構成・導入の基礎 | 安全な実験場を作り、再現可能な練習サイクルを確立 |
| 第4–6章(基本操作/入出力/フィルタ) | GNU/Unixコマンド、データ処理 | ls cat grep sort などの頻出操作を手で覚える |
| 第7章(viエディタ) | テキスト編集・設定変更の基本 | 設定ファイル編集の最低限スキルを確実にする |
| 第8–9章(ユーザー/権限/アクセス制御) | 管理作業・セキュリティ基礎 | 所有者/グループ/その他、sudo の基礎運用を体に入れる |
| 第10章(ネットワーク設定) | ネットワーク基礎 | IP/ホスト名/SSH の初動確認と疎通の道筋を習得 |
| 第11章(プロセス管理) | プロセス・サービスの基本 | ps top kill で状況把握→対処の型を作る |
※ レベル1の全出題を網羅するものではありません。
細かなオプションや周辺トピックは問題集・模試で補完します。
学習フロー(レベル1を受けるなら)
- 基礎固め(この教科書)
2週間を目安に全章を通読+実習。
手を動かした証拠(ログ・メモ)を残しておく。 - 出題領域の照合
自分のメモを眺めつつ、苦手領域(例:権限、ネットワーク)に付箋。
必要に応じて該当章をもう一周。 - 問題演習で穴埋め
市販の問題集・模試サービスで頻出論点と未出領域を可視化。
“知らないコマンド/オプション” は必ず手元で再現してから覚える。 - 直前仕上げ
自作チートシート(基本コマンド・権限表・ネットワーク初動)を1枚に集約。
口頭で説明できる状態まで反復。
受験までの目安プラン
- 2週間:教科書で基礎体験を一周(上記「14日標準プラン」準拠)
- 1〜2週間:問題集+模試で不足領域の補完
- 最終3日:ログ見直し・チートシート暗唱・手元再現
この流れなら、“分かる”ではなく“できる” に寄せた準備ができます。
合格後も現場で通用するための、実践寄りの土台づくりとして最適です。
ネット上での評判・レビュー
学習者や企業ブログの“生の声”をピックアップしました。初学者の導入に役立つという評価が多い一方、試験直前の対策本ではないという指摘も見られます。
- 「Linuxを初めて学ぶ人にとってとてもいい本だと思いました。…一回さらっと読んで辞書的に持っておくのがいい」 (Qiita)
- 「ユーザー権限、アクセス権、シェルスクリプトについては学べて良かったです。rwxの謎も解けました」 (サイバーウェーブ)
- 「無料ですし、PDF形式でダウンロードもできるので手元に置いておいて損はない」 (note(ノート))
- 「読書会の本を決める際に賛同する声が多かったので、こちらになりました」――社内読書会での採用理由より (リゾームのテックブログ)
- 「試験対策教材ではないそうです(LinuC合格を目指すなら追加学習が必要)」 (たのいけブログ)
- 「20万ダウンロード超の入門書(最新版Ver.4.0.0)として、独学しやすい演習中心の構成に改訂」※公式案内要約 (LinuC)
学習者の声(傾向)
- 初心者の最初の一冊として安心
章立てが明快で、環境づくりから順に実習できる点が好評。 - “辞書的に置いておける” 使い勝手
一度通読した後、わからない操作を引くリファレンスとして便利。 - 無料で始められる敷居の低さ
個人学習でもチームの新人研修でも導入しやすい。 - 試験対策は別リソースで補完
教科書は基礎固めに最適、頻出論点の網羅は問題集や模試で補う、という声が多数。
よかった点/注意点(ざっくり整理)
| 観点 | よかった点 | 注意点・補足 |
|---|---|---|
| 学習体験 | 実習中心で「読む→打つ→確かめる」の循環が作りやすい | 章末に自作の追加課題を入れると定着がさらに上がる |
| 内容の範囲 | 初学者に必要十分。迷いにくい最小構成 | 深掘り(例:高度なネットワーク・スクリプト)は別資料へ |
| 環境対応 | 仮想環境を前提に、現行ディストリで再現しやすい | WSL2のみだと一部章(ネットワーク周り)は再現が難しい場合あり |
| 試験との関係 | LinuCレベル1の基礎力養成に有効 | 直前対策本ではないため、問題演習の併用が前提 |
まとめ:無料で始めやすく、実習で基礎が身につくという評価が目立ちます。資格対策は別リソース併用が定番、というのが共通見解でした。
他の標準教科書との違い・使い分け
三教材の役割イメージ
| 教材名 | 目的 | できるようになること | 想定レベル |
|---|---|---|---|
| Linux標準教科書(本記事) | 入門(触れる) | 基本コマンド、vi、権限、ネットワーク・プロセスの超基礎 | 初心者 |
| Linuxサーバー構築標準教科書 | 構築(立てる) | Web/DNS/メールなど主要サービスを自力で構築・動作確認 | 初〜中級 |
| Linuxシステム管理標準教科書 | 運用(回す) | ユーザー・サービス・FS管理、バックアップ、トラブル初動対応 | 初〜中級 |
一言で言えば、入門=触る/構築=立てる/運用=回す。
まず「標準」で基礎体験を作り、目的に応じて「構築」か「運用」に進むのが王道です。
学習ルートの例
- 王道ステップアップ
- 標準 → 2) サーバー構築 → 3) システム管理
最も迷いにくく、広く浅く→具体→運用の順で理解が定着します。
- 標準 → 2) サーバー構築 → 3) システム管理
- 動機優先ショートカット
- サーバー構築(まず“動く”体験) → 2) 標準(基礎補完) → 3) システム管理
先に成功体験を得たい人、期限がある人に向いています。
- サーバー構築(まず“動く”体験) → 2) 標準(基礎補完) → 3) システム管理
- 運用現場に早く慣れたい
- 標準(2週間速習) → 2) システム管理(運用の型) → 3) 必要に応じてサーバー構築で補完
選び方チェック(当てはまる数が多い教材から)
- 標準向き
□ ターミナル操作が不安
□ vi がほぼ初めて
□ 権限やrwxが曖昧 - サーバー構築向き
□ WebやDNSを自分で立てたい
□ ブラウザで動作確認まで通したい - システム管理向き
□ 既存サーバーを安全に運用したい
□ ログの見方・初動対応を鍛えたい
併用すると効果が高い理由
- 語彙と体験の往復:標準で覚えた語彙を、構築や運用の演習で“手の記憶”に変換
- トラブルに強くなる:構築で起こるつまずきを、運用の型(ログ・切り分け)で解決
- LinuC対策にも流用:基礎→応用の順で学ぶと、問題集の理解速度が上がる
よくある質問(FAQ)
Q1. PDFとKindle、どっちがおすすめ?
PDF/EPUB(無料)はPCで実習しながら並べて読むのに最適。検索もしやすいです。
Kindle(有償)はオフラインで読みやすく、マーカー・しおりが便利。移動中の復習に向きます。
迷ったらまずPDFで着手 → 合うならKindleを追加が無駄なし。
Q2. Windowsしかありません。学習できますか?
できます。WSL2 で基本操作は十分学べます。
ただしネットワーク実習など一部は VirtualBox+AlmaLinux の方が再現しやすいので、
「WSL2で基礎 → VMで章の再現」の二段構えが安定です。
Q3. これ一冊で LinuC に合格できますか?
本教科書は基礎力養成の入門書です。
合格を目指すなら、問題集・模試で頻出論点を補完してください。
推奨フロー:教科書で基礎固め → 問題演習 → 弱点章を教科書で再読。
Q4. どの章までやれば“実務の第一歩”になりますか?
最低ラインは 4〜7章(基本操作・入出力・vi)+8〜9章(権限)+11章(プロセス)。
ここまでで「安全に触る・状況を読む・最低限の対処」が可能になります。
運用寄りを目指すなら**10章(ネットワーク)**も必須です。
Q5. AlmaLinux じゃない環境でも大丈夫?
大丈夫です。コマンドの基本挙動は共通です。
ただし パッケージ管理(dnf/apt) や 設定ファイルのパス が違う場合あり。
教材の手順をなぞりつつ、あなたの環境に合わせて置き換えメモを残しましょう。
Q6. どのくらいの学習時間を見ればいい?
目安は以下です。
- 7日速習:毎日1〜2章+実習(合計10〜15時間)
- 14日標準:毎日1章+復習(合計20〜30時間)
- 21日じっくり:半章ずつ+追試(合計30時間〜)
※「手を動かす時間」が学習時間の大半を占めます。
Q7. 詰まったらどうすれば?
まずは三手で切り分け:①エラーメッセージを読む ②man/--help を確認 ③ログ/設定差分を取る。
VMならスナップショットで戻り、原因メモを残して再挑戦。
原因→対処→再発防止までを書けば、次から速く直せます。
Q8. 学習記録はどう残すのが良い?
- コマンドは
script -a session.logで丸ごと記録 - 変更前後を
cp -aとdiff -uで差分保存 - 章ごとに Gitでコミット(検索と振り返りが楽)
「何をやって、何が起きて、どう直したか」を一行でいいので必ず残しましょう。
Q9. 姉妹教材との組み合わせは?
- まず標準(本教科書)で語彙と手の感覚を作る
- サーバー構築で “立てる” 体験
- システム管理で “回す” 型
目的に応じて順序を入れ替えてもOK。往復学習が最短です。
Q10. 会社や勉強会で使っても良い?
CC BY-NC-ND 4.0 なので、非営利の範囲なら配布・利用OK(改変は不可)。
授業や社内読書会での使用に向いています。
配布時は出典表記を忘れずに。
参考リンク
- LPI-Japan(公式)
https://lpi.or.jp/ - Linux標準教科書(教材ページ/ダウンロード)
https://linuc.org/textbooks/linux/ - LinuC(Linux技術者認定)
https://linuc.org/ - 姉妹教材:Linuxサーバー構築標準教科書
https://linuc.org/textbooks/server/ - 姉妹教材:Linuxシステム管理標準教科書
https://linuc.org/textbooks/admin/ - bash道の関連記事(内部リンク)
「無料で学ぶサーバー構築:『Linuxサーバー構築標準教科書』実習ガイド」
「LinuC学習の強い味方:無料教材『Linuxシステム管理標準教科書』の読み進め方」
まとめ(次のアクション)
- 公式ページから PDF/EPUB をダウンロード
- WSL2 か VirtualBox のどちらかで学習環境を準備
- 本記事の 7日/14日プラン に沿って実習を開始
- つまずきは ログに記録 → 切り分け → 再挑戦
- LinuC を受けるなら 問題集・模試で仕上げ
“読むだけ”では身につきません。
手を動かして、壊して、戻す――このサイクルが最短ルートです。
基礎を固めたら、次は
「Linuxサーバー構築標準教科書」 で “立てる” 体験、
「Linuxシステム管理標準教科書」 で “回す” 型へ。
学び始めるなら、今日がいちばん早い日です。

