nvm – Node.js のバージョンを切り替える（Node Version Manager）

nvm は、複数の Node.js をユーザー単位・シェル単位でインストール／切り替えできるバージョンマネージャです（POSIX シェル向け）。macOS／Linux／WSL で動き、Windows ネイティブは別実装（nvm-windows）です。(GitHub)
実務では「開発プロジェクトごとに Node を固定」「CI やローカルで LTS に一括切替」「.nvmrc による自動切替」等に使います。(GitHub)

構文（Syntax）

nvm [SUBCOMMAND] [ARGS]

# よく使うサブコマンド例
nvm install <ver>|node|lts/* [--latest-npm] [--reinstall-packages-from=<ver>] [-s]
nvm use <ver>|system|lts/* 
nvm ls            # ローカルに入っているバージョン一覧
nvm ls-remote     # インストール可能なリモート一覧（--lts 指定可）
nvm alias [name] [ver]   # エイリアス設定（default でデフォルト指定）
nvm uninstall <ver>
nvm which <ver>   # 実体パス表示
nvm run <ver> -- node --version
nvm exec <ver> -- <cmd>

• node は最新安定版、lts/* は最新 LTS を指します。多くのサブコマンドが --lts／lts/<line> を受け付けます。(GitHub)

主なオプション一覧

実行例

最新 LTS を導入して使う

説明: 安定運用向けに LTS へ切り替えます。
コマンド:

nvm install --lts
nvm use --lts
node -v

出力例（概略）:

Now using node vXX.YY.Z (npm vA.B.C)

(GitHub)

プロジェクトごとにバージョン固定（.nvmrc）

説明: そのディレクトリに入ると同じ Node を使えます。
コマンド:

echo "18.19" > .nvmrc
nvm install         # .nvmrc を読んで該当バージョンを入れる
nvm use             # .nvmrc を読んで切り替え

(GitHub)

既存のグローバルパッケージを移行しつつ更新

説明: 旧バージョンの npm -g パッケージを新バージョンへ移行。npm も同時更新。
コマンド:

nvm install --reinstall-packages-from=current --latest-npm 'lts/*'

(GitHub)

デフォルト（新しいシェルで使う版）を設定

説明: 毎回同じ Node から始めたいときに。
コマンド:

nvm alias default lts/*     # あるいは具体値: nvm alias default 22

(GitHub)

エラー例：nvm: command not found（プロファイル未読込）

説明: インストール直後にシェルの設定が読み込まれていないケース。
コマンド:

# 例: bash
source ~/.bashrc
command -v nvm   # -> nvm

（端末を開き直す／source で解消） (GitHub)

関連コマンド

• node / npm : Node.js 本体とパッケージマネージャ。
• corepack : pnpm/yarn を公式に扱うためのツール。
• nvm-windows : Windows ネイティブの別実装（互換だが別物）。インターフェースが一部異なります。(GitHub)

備考

• 対応プラットフォーム: nvm は POSIX シェル用（macOS／Linux／WSL）。Windows ネイティブは nvm-windows を使用。(GitHub)
• インストール: 公式の install スクリプトを curl/wget で実行し、~/.nvm 配下に導入。プロファイルに NVM_DIR とスクリプト読込行が追加されます。(GitHub)
• LTS 指定: ほぼ全コマンドで --lts／'lts/*'／lts/<line>（例: lts/argon）が使用可。(GitHub)
• グローバル npm の移行: --reinstall-packages-from で移行、npm も更新したい場合は --latest-npm を併用。(GitHub)
• Alpine 等の特殊環境: 公式バイナリが使えない環境では nvm install -s（ソースビルド）を利用。(GitHub)
• .nvmrc の探索: カレントから親ディレクトリへ辿って最初に見つかった .nvmrc を解釈します。(GitHub)
• シンボリック current: 既定では作成されません。必要なら NVM_SYMLINK_CURRENT=true を設定。(GitHub)

参考

• 公式リポジトリ（README/Usage/Install など）: (GitHub)
• LTS の指定と --lts が使えるコマンド一覧: (GitHub)
• .nvmrc の使い方（自動解釈・探索）: (GitHub)
• Alpine でのビルドインストール（-s フラグ）: (GitHub)
• nvm-windows（Windows ネイティブの別実装）: (GitHub)