install – ファイルをコピーして属性を設定するコマンド

生成・削除

install コマンドは、ファイルを指定した場所にコピーし、パーミッションや所有者、タイムスタンプを設定できる コマンドです。
主にプログラムやスクリプトをシステムディレクトリに配置する際(ソフトウェアのインストール作業)に使われます。

構文(Syntax)

install [オプション] コピー元 コピー先
install [オプション] コピー元...  目的ディレクトリ
install [オプション] -d ディレクトリ...

主なオプション一覧

オプション説明使用例
(なし)ファイルをコピーinstall file.sh /usr/local/bin/
-m MODEパーミッションを指定install -m 755 script.sh /usr/local/bin/
-o OWNER所有者を指定(root権限が必要)sudo install -o root file /usr/bin/
-g GROUPグループを指定sudo install -g staff file /usr/bin/
-dディレクトリを作成install -d -m 755 /usr/local/myapp
-p元ファイルのタイムスタンプを保持install -p config.conf /etc/myapp/
-s実行ファイルをストリップ(不要なシンボル情報を削除してサイズ削減)install -s myprog /usr/local/bin/
-v実行した操作を表示install -v file /usr/local/bin/

実行例

スクリプトをコピーして実行権限を付与

install -m 755 script.sh /usr/local/bin/myscript

所有者を root にしてインストール

sudo install -o root -g root program /usr/bin/

設定ファイルをコピー(タイムスタンプ保持)

install -p config.conf /etc/myapp/

ディレクトリを作成

install -d -m 755 /opt/myapp/data

実行内容を表示

install -v file.txt /usr/local/share/

出力例:

'file.txt' -> '/usr/local/share/file.txt'

エラー例(存在しないファイルをコピー)

install notfound.txt /usr/local/bin/

出力例:

install: cannot stat 'notfound.txt': No such file or directory

関連コマンド

  • cp : ファイルやディレクトリをコピー(シンプル版)
  • mv : ファイルを移動またはリネーム
  • chmod : パーミッションを変更
  • chown : 所有者を変更

備考

  • install はパッケージ管理システムではなく、ファイルをシステムに配置するための低レベルツール です。
  • 実行ファイルを /usr/local/bin などに配置する際に使うのが典型的な用途です。
  • -s オプションはプログラムサイズを削減できますが、デバッグ情報も削除されるため注意が必要です。

参考

Bash玄

はじめまして!Bash玄です。

エンジニアとしてシステム運用に携わる中で、手作業の多さに限界を感じ、Bashスクリプトを活用して業務を効率化したのがきっかけで、この道に入りました。「手作業は負け」「スクリプトはシンプルに」をモットーに、誰でも実践できるBashスクリプトの書き方を発信しています。

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