cat
コマンドは、ファイルの内容を標準出力(通常は画面)に表示するための基本コマンドです。
複数ファイルの結合や新しいファイルの作成にも利用できます。
実務では、ログファイルの中身を確認したり、設定ファイルを一時的に閲覧する際によく使われます。
構文(Syntax)
cat [オプション] [FILE...]
主なオプション一覧
オプション | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
-n | 行番号を付けて表示 | cat -n test.txt |
-b | 空行を除いて行番号を付ける | cat -b test.txt |
-s | 連続する空行を1行にまとめる | cat -s test.txt |
-E | 行末に $ を表示 | cat -E test.txt |
-A | 非表示文字もすべて可視化(-vET と同じ) | cat -A test.txt |
実行例
ファイル内容を表示
cat test.txt
出力例:
Hello
World
行番号を付けて表示
cat -n test.txt
出力例:
1 Hello
2 World
複数ファイルを結合して表示
cat file1.txt file2.txt
出力例:
内容: file1.txt
内容: file2.txt
新しいファイルを作成(リダイレクトを使用)
cat > newfile.txt
これは新しいファイルです
Ctrl+D
(入力終了後、newfile.txt
に保存されます)
権限不足でエラーになる例
cat /etc/<shadow>
出力例:
cat: /etc/<shadow>: Permission denied
関連コマンド
less
: ファイル内容をスクロールしながら閲覧できるmore
: ページ単位でファイルを表示できるtac
:cat
の逆で、ファイルを逆順に表示する
備考
cat
は GNU coreutils に含まれます。- BSD 系(macOS など)でも同様に利用できますが、細かいオプションの違いがあります。
- 権限のないファイルは
sudo
が必要です。 cat
で内容を表示する代わりに、/etc/group
や/etc/passwd
のようなシステム設定ファイルは専用コマンド(例:getent
)で参照することも推奨されます。
参考
- manページ: https://man7.org/linux/man-pages/man1/cat.1.html
- GNU coreutils: https://www.gnu.org/software/coreutils/
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