プログラミングやシステム管理を始めたばかりの初心者にとって、viエディタは避けて通れないツールの一つです。このテキストエディタはUNIXやLinux環境で広く使われており、そのシンプルで強力な機能は多くのユーザーに支持されています。しかし、初めて触れる人にとっては、その操作感に慣れるのに少しだけ時間がかかるかもしれません。この記事では、viエディタの基本的な使い方と便利なコマンドを紹介します。
viエディタの基本操作
起動と終了
まずはviの起動方法です。ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します:
vi ファイル名
ファイル名の部分に新規作成したいファイル名または編集したい既存ファイル名を入力します。
viを終了するには、ノーマルモードで以下のコマンドを入力します:
- 保存して終了:
:wq
- 保存せず終了:
:q!
- 保存のみ:
:w
モードの切り替え
viエディタでは主に3つのモードを使います。
- ノーマルモード: コマンドを入力するためのモードです。基本操作やコマンドはこのモードで実行します。
-
挿入モード: テキストを入力するためのモードです。
i
を押すことでノーマルモードから移行します。 -
ビジュアルモード: テキストを選択するモードで、コピーや削除をする際に便利です。
v
を押すことでノーマルモードから移行します。
モード間の切り替えは、Esc
キーを押してまずノーマルモードに戻ることが基本です。
基本コマンド
移動コマンド
-
h
,j
,k
,l
: 左、下、上、右に移動します。 -
gg
: ファイルの先頭に移動します。 -
G
: ファイルの末尾に移動します。 -
w
: 次の単語の先頭に移動します。 -
b
: 前の単語の先頭に移動します。
編集コマンド
-
i
: 文字の前に挿入 -
a
: 文字の後に挿入 -
o
: 現在の行の下に新しい行を挿入
削除とコピー
-
x
: カーソルのある文字を削除します。 -
dd
: 現在の行を削除します。 -
yy
: 現在の行をコピーします。 -
p
: 貼り付け(コピーまたは削除した後、カーソルの下に貼り付けます)。
便利な機能
検索機能
viには強力な検索機能が内蔵されています。
-
/
: スラッシュの後に検索したい単語を入力して、ファイル内を下方向に検索します。 -
?
: スラッシュの後に検索したい単語を入力して、ファイル内を上方向に検索します。 -
n
: 前回の検索後の次の一致項目へジャンプします。 -
N
: 前回の検索後の前の一致項目へジャンプします。
置換機能
一つの単語や文字列を別のものに置き換えるには以下のコマンドを使います:
:%s/探す言葉/置換する言葉/g
-
%
: ファイル全体を対象にします。 -
s/
: 置換コマンドの開始。 -
/g
: 行中のすべての一致を置換します。
マクロと実行
viではよく使う操作をマクロとして記録し、再利用することができます。
q<レジスタ>コマンドq
@<レジスタ>
-
q
を押し、その後に任意の1文字のレジスタ名(例:q
)を押します。 - 操作を行った後に、再度
q
を押して記録を停止します。 -
@<レジスタ名>
でマクロを実行します。
カスタマイズ
viエディタはカスタマイズ性が高く、~/.vimrc
ファイルを編集することで、色のテーマやキーバインドを変更できます。たとえば、行番号を表示させるには次の設定を追加します:
set number
総括
初心者にとってviエディタは最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると非常にパワフルで効率的なツールになります。ここで紹介した基本的な操作やコマンド集は、あなたの日々の作業をスムーズにするための第一歩です。ぜひ、実際に試してみて、その便利さを体感してください。他のエディタでは得られない効率性をviで実現しましょう。
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