第2章: Bash実行環境の準備

Bashで業務効率化

本連載ではBashスクリプトを活用して業務を効率化する方法を解説しています。

本章では、Bashスクリプトを実行するために必要な環境の準備について説明します。環境が整っていないとスクリプトが正しく動作しないため、最適なセットアップを行うことが重要です。

本章で学べること

  • Bashが動作する環境の種類とセットアップ方法
  • 実行に必要なツールとエディタの選定
  • Bashのバージョン確認および更新方法
  • 実行権限の設定とスクリプトの実行方法

Bashが動作する環境

Bashスクリプトを実行するためには、Bashが動作する環境を整える必要があります。以下のOSでは標準または簡単にBashを利用できます。

Linux

LinuxのほとんどのディストリビューションにはBashが標準でインストールされています。以下のコマンドでバージョンを確認できます。

bash --version

macOS

macOSにもBashが標準でインストールされていますが、バージョンが古い場合があります。最新バージョンを使用するにはHomebrewを利用して更新します。

brew install bash

Windows (WSL)

WindowsでBashを使用するには、Windows Subsystem for Linux (WSL) を有効化するのが一般的です。

  1. PowerShellを管理者権限で開き、以下を実行wsl --install
  2. インストール後、再起動し、UbuntuなどのLinuxディストリビューションをセットアップ
  3. bash コマンドでBashを起動

レンタルサーバー (Xserverなど)

XserverやConoHaなどのレンタルサーバーでは、SSH接続を利用することでBashを実行できます。これにより、スクリプトの自動実行やcronジョブを設定することが可能です。

  1. SSH接続を有効にする(管理画面から設定可能)
  2. SSHクライアントを使用して接続
    ssh ユーザー名@サーバーアドレス
  3. Bashスクリプトを作成・実行可能

レンタルサーバーは常時稼働しているため、Bashスクリプトの実行環境として非常に有用です。これは、以下の理由によります。

  1. 常時稼働している
    • レンタルサーバーは24時間オンライン状態にあるため、スクリプトの定期実行や長時間稼働するプロセスの実行に適しています。
  2. SSH接続が可能
    • 多くのレンタルサーバー(例: Xserver、ConoHa)ではSSHを使ってリモートで接続でき、ターミナルから直接Bashスクリプトを操作・実行できます。
  3. cronジョブの利用
    • 定期的な処理が必要な場合、cron を使ってスクリプトを自動実行することが可能です。
      例: 毎日深夜にバックアップを取得するスクリプト
      0 2 * * * /home/user/backup.sh
  4. サーバー環境に最適化
    • レンタルサーバーには通常、Linux環境が整備されており、Bashスクリプトがスムーズに動作する環境が整っています。
    • 余計なソフトウェアのインストールが不要で、すぐにスクリプトを動かせるのが利点です。
  5. 低コストで利用可能
    • レンタルサーバーは比較的安価で利用でき、ローカルPCを常時稼働させるより電気代や管理コストを抑えることができます。

これらの理由により、レンタルサーバーはBashスクリプトを利用する上で非常に便利な環境となり得ます。

必要なツールとエディタの選定

Bashスクリプトを快適に作成・管理するために、以下のツールを準備します。

テキストエディタ

  • Vim / Nano: CLI環境で軽量な編集を行うならVimまたはNano
  • VS Code: Windows・Mac・Linuxで利用可能なGUIエディタ。拡張機能も豊富
  • JetBrains Fleet: Bashスクリプトにも対応した高機能エディタ

Bashのバージョン確認と更新方法

バージョン確認

bash --version

LinuxでBashを更新

sudo apt update && sudo apt install bash  # Ubuntu/Debian系
sudo yum update && sudo yum install bash  # CentOS/RHEL系

macOSでBashを更新

brew install bash

権限管理と実行権限の設定

Bashスクリプトを実行するためには、実行権限を適切に設定する必要があります。

実行権限の付与

chmod +x script.sh

スクリプトの実行

./script.sh

shebang の設定

スクリプトの先頭に以下を記述することで、明示的にBashを指定して実行できます。

#!/bin/bash

実行環境の確認方法

Bashスクリプトを適切に動作させるために、環境を確認することが重要です。

現在のシェルを確認する

echo $SHELL

使用中のBashのパスを確認する

which bash

シェルの環境変数を確認する

env | less

Bashの設定ファイルを確認する

ls -la ~ | grep .bash

これにより、実行環境が適切にセットアップされているか確認できます。

実際に動かしてみる

Bashスクリプトを作成し、実際に動作を確認してみましょう。

サンプルスクリプトの作成

以下の内容を hello.sh という名前で作成します。

echo "Hello, Bash!"

実行手順

  1. スクリプトファイルを作成し、エディタで編集します。
    nano hello.sh
  2. スクリプトに実行権限を付与します。
    chmod +x hello.sh
  3. スクリプトを実行します。
    ./hello.sh
  4. Hello, Bash! と表示されれば成功です。

これでBashスクリプトを作成・実行するための環境が整いました。次章では基本構文について解説していきます。

全記事をチェック:「Bashで業務効率化」連載一覧

Bash玄

はじめまして!Bash玄です。

エンジニアとしてシステム運用に携わる中で、手作業の多さに限界を感じ、Bashスクリプトを活用して業務を効率化したのがきっかけで、この道に入りました。「手作業は負け」「スクリプトはシンプルに」をモットーに、誰でも実践できるBashスクリプトの書き方を発信しています。

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